リスト音楽院セミナー

リスト音楽院とは

 リスト音楽院は、ハンガリーが生んだ偉大な作曲家、ピアニストのフランツ・リストにより1875年にハンガリー・ブダペストに創立され、2025年に開学150周年を迎えました。作曲家のバルトーク、コダーイ、ヴァイオリニストのシゲティ、指揮者のショルティなど、世界的な音楽家を輩出している歴史ある音楽院です。1960年代以降はラーンキ、コチシュ、シフなど優れたピアニストが巣立ったことでも知られています。札幌の「リスト音楽院セミナー」の指導教授も同音楽院の出身者。リストに連なる音楽家たちがその伝統を札幌で若い音楽家に直接伝えます。

リスト音楽院の写真

リスト音楽院 大ホール ©Jozsef Hajdu

リスト音楽院外観の写真

リスト音楽院 外観

リスト音楽院セミナーとは

リスト音楽院教授による熱心な指導が受けられる貴重な機会

 札幌コンサートホールが1997年の開館以来、継続して開催しているセミナーで、これまでに延べ1,000人を超える方々が受講しています。ハンガリーの名門、リスト音楽院の教授たちによる熱心な指導が受けられる貴重な場として、毎年多くの方々が受講しています。セミナーではレッスンのほか、「講師による特別コンサート」や優秀受講生が出演する「受講生コンサート」が行われ、受講生は自由に聴くことができます。また、このセミナーで選ばれた最優秀受講生には、札幌コンサートホールからの派遣としてハンガリーでの演奏会に出演する資格が与えられます。なお、海外航空券についてはデロイト トーマツ様よりご支援をいただいております。

<歴代講師一覧>

ピアノコース:イシュトヴァーン・ラントシュ、シャーンドル・ファルヴァイ、アンドラーシュ・ケメネシュ、ガーボル・ファルカシュ、バラージュ・レーティ

チェロコース:ミクローシュ・ペレーニ

ヴァイオリンコース:アンドラーシュ・キシュ、クリストフ・バラーティ

ハープコース:アンドレア・ヴィーグ

日本人学生のために特別にリスト音楽院入学試験を実施

 通常、外国人が同音楽院の入学試験を受験する場合、音源による審査もしくはブダペストでの実技試験を受験する必要があり、日本からの受験生には負担が大きいですが、このセミナーでリスト音楽院教授陣が来札するのを機に、札幌コンサートホールに入試事務局を置き、日本人学生のために特別に入学試験を実施しています。札幌で行うリスト音楽院入学試験に合格すると、その場でリスト音楽院への入学資格(Non Degree Programme※)を得ることができます。この試験により、伝統ある音楽院の門戸が日本の音楽を学ぶ学生に大きく開かれています。

※1年を最短期間としてリスト音楽院で自由に勉強する制度で、履修証明を請求することはできますが、ディプロマ(卒業証明)は取得できません。

過去の受講生の声

・リスト音楽院の教授陣の演奏に受講生同士の情報交換もあり、とても充実したプログラムでした。

・特に他の人のレッスンや種類の違う楽器のレッスンを聞けて良かったです。

・他の生徒の方の聴講などを通して、演奏を見直すきっかけになりました。

第28回リスト音楽院セミナー

 第28回リスト音楽院セミナーでは、ピアノコース及びチェロコースの受講生、聴講生を以下のとおり募集します。

セミナー概要

コース ピアノ、チェロ
日程 2026年2月18日(水)~23日(月・祝)の6日間

※2月17日(火)に受講生選考オーディション(生演奏)を行います。

会場 札幌コンサートホール Kitara

スケジュール

スケジュール

[ピアノコース]

編成/ソロ・デュオ(連弾・2 台ピアノ)
講師(審査員)/ガーボル・ファルカシュ、バラージュ・レーティ
定員/20人・組

オーディション
開催日/2026年2月17日(火)
対象/全応募者(第27回セミナーの最優秀受講生は免除)
受講資格/音楽高校・音楽大学在学・卒業、あるいは同等の能力をお持ちの方
オーディション演奏曲
[ソロ]※暗譜で演奏すること
 ①古典派のソナタから任意の一(ひと)楽章(緩徐楽章を除く)
 ②自由曲

[デュオ]
 自由曲 1~2曲

レッスン
約1時間×2回受講することができます(通訳付、受講生には修了証が授与されます)。
レッスン受講曲
[ソロ]
 ①古典派のソナタ(全楽章)
 ②自由曲

[デュオ]
 自由曲 1~2曲

※「オーディション演奏曲」と「レッスン受講曲」が異なる場合は、申込時にお申し出ください。

※自由曲で複数曲の受講を希望の場合はご相談ください。また、ソロコースは「ピアノ協奏曲」でも受講可能ですが、伴奏者をご同行ください(オーディション時の同行については、事前に要相談)。最優秀受講生選考の対象曲は、原則ソロ曲です。

料金
オーディション料/1人・組につき5,000円
受講料/1人につき45,000円(レッスン受講料、6日間の全コースレッスン聴講料、練習室使用料、全コンサートの入場券、閉講式・レセプション込)

※オーディション料および受講料は事前にお振込みいただきます。オーディションの結果、選考されなかった場合は、お預かり額からオーディション料を差し引いた額を後日返金します。

※オーディションのキャンセルは前日までにご連絡ください。当日にキャンセルした場合、原則としてオーディション料は返金できませんのであらかじめご了承ください。なお、キャンセルに伴う返金の場合は、振込手数料を差し引いた額を返金いたします。

[市内音楽家のための特別レッスン(ピアノコースのみ)]

オーディションの結果、選考されなかった方のうち、札幌市及び近郊で活動する方を対象に特別レッスンを行います。選考は講師が行い、レッスンを1回受講できます。
講師(審査員)/ガーボル・ファルカシュ、バラージュ・レーティ
定員/若干名

レッスン
約45分×1回受講することができます(通訳付、受講生には修了証が授与されます)。
レッスン受講曲/自由曲【1曲】

料金
オーディション料/1人・組につき5,000円
受講料/ソロ:1人につき30,000 円
    デュオ(連弾・2台ピアノ):1人につき20,000 円
(レッスン受講料、6日間の全コースレッスン聴講料、練習室使用料、全コンサートの入場券込)
※閉講式・レセプション費用は含まれません。

[チェロコース]

編成/ソロ、チェロと他楽器のデュオ・トリオ・カルテット等の室内楽
講師(審査員)/ミクローシュ・ペレーニ
定員/10人・組

オーディション
開催日/2026年2月17日(火)
対象/全応募者
受講資格/音楽高校・音楽大学在学・卒業、あるいは同等の能力をお持ちの方
オーディション演奏曲
[ソロ]※オーディションは、伴奏なしで演奏
 ①ソナタまたは協奏曲から任意の一(ひと)楽章以上(緩徐楽章を除く)
 ②自由曲

[デュオ以上]
 自由曲 1~2曲

レッスン
約1時間×2回受講することができます(通訳付、受講生には修了証が授与されます)。
レッスン受講曲
[ソロ]
 ①ソナタまたは協奏曲から任意の一(ひと)楽章以上(緩徐楽章を除く)
 ②自由曲
[デュオ以上]
 自由曲 1~2曲

※「オーディション演奏曲」と「レッスン受講曲」が異なる場合は、申込時にお申し出ください。

※最優秀受講生選考の対象曲は、原則ソロ曲です。

料金
オーディション料/1人・組につき5,000円
受講料/1人につき45,000円(レッスン受講料、6日間の全コースレッスン聴講料、練習室使用料、全コンサートの入場券、閉講式・レセプション込)
(例)デュオで申込む場合/オーディション料 5,000円+受講料 45,000円×2人分=95,000円

※オーディション料および受講料は事前にお振込みいただきます。オーディションの結果、選考されなかった場合は、お預かり額からオーディション料を差し引いた額を後日返金します。

※オーディションのキャンセルは前日までにご連絡ください。当日にキャンセルした場合、原則としてオーディション料は返金できませんのであらかじめご了承ください。なお、キャンセルに伴う返金の場合は、振込手数料を差し引いた額を返金いたします。

ソロでの参加にあたって伴奏者の手配を希望する方は、申込時にお申し出ください(伴奏者への謝礼が別途かかります)。
伴奏者への謝礼
 ・合わせ 5,000円/回
 ・レッスン 5,000円/回
 ・受講生コンサート出演 一式 10,000円
  ※受講生コンサートに向けた練習やゲネプロ参加を含む
 ・ノン・ディグリー・プログラム入試 一式 5,000円
  ※入試に向けた練習を含む
 ・伴奏手配キャンセル 一律 5,000円

※費用の支払いに方法については、オーディション合格後に伴奏者と直接ご相談ください。

※伴奏譜は、セミナー申込と合わせて12月12日(金)までにセミナー事務局へご提出ください。

[聴講生]

セミナー期間中、誰でもレッスンの様子を見学、聴講することができます(有料)。どのようなレッスンが行われるのか、セミナー受講を検討する方も今後の参考にぜひご活用ください。

・全期間聴講生…事前申込制。
聴講料/一般 15,000円、U25* 5,000円(6日間の全コースレッスン聴講料、全コンサートの入場券込)※閉講式・レセプション費用は含まれません。

・一日聴講生…各日販売でレッスンのみ聴講可能。一日単位で聴講することができます。事前申し込みは不要ですので当日札幌コンサートホール事務室にお越しのうえ、現金にて聴講料をお支払いください。
聴講料/一般 2,000 ~ 3,000円、U25* 1,000円 ※コンサートの入場券は含まれませんので別途チケットをご購入ください。

*U25:2000年以降にお生まれの方(未就学児を除く)であれば学生に限らずご購入いただけます。ご購入、ご来場時に生年を証明できるものをお持ちください。

※レッスンスケジュールの詳細はオーディション終了後、札幌コンサートホールホームページ等でお知らせいたします。

申込方法(締め切り:12月12日(金))

  • フォームからお申込みください。(9月17日(水) 10:00 より応募開始) 

  • フォームからのお申込み完了後、12月12日(金)までに以下の振込先へ受講料等を納入してください。

    <振込先>
    北海道銀行 真駒内支店 普通口座 0526281
    公益財団法人 札幌市芸術文化財団 理事長 秋元 克広(あきもと かつひろ)

    ※振込者名と参加者名は同一となるようにしてください。

    ※振込手数料はご負担願います。

関連事業(いずれも札幌コンサートホールKitara小ホールで開催)

  • 〈講師による特別コンサート〉ミクローシュ・ペレーニ チェロリサイタル
    2026年2月18日(水) 19:00開演
    出演 ミクローシュ・ペレーニ(チェロ)、バラージュ・レーティ(ピアノ)
    料金 全席指定(税込) 一般 5,000円 U25* 2,000円 2公演セット券(2/18、20) 7,500円
  • 〈講師による特別コンサート〉ガーボル・ファルカシュ ピアノリサイタル
    2026年2月20日(金) 19:00開演
    出演 ガーボル・ファルカシュ(ピアノ)
    料金 全席指定(税込) 一般 3,000円 U25* 1,000円 2公演セット券(2/18、20) 7,500円
  • 〈札幌大谷大学・Kitara連携事業〉特別レクチャー&公開レッスン
    2026年2月22日(日) 10:30開講
    講師 バラージュ・レーティ(ピアノ)
    料金 全席自由(税込) 一般 1,000円 U25* 500円
  • 受講生コンサート
    2026年2月23日(月・祝) 15:30開演
    出演 第28回リスト音楽院セミナー 優秀受講生(6~8名程度)
       長谷川 絵莉子(ピアノ、第27 回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)
    料金 全席自由(税込) 500円
    長谷川 絵莉子さんの写真

    長谷川 絵莉子

    © Hiroharu Takeda

*U25:2000年以降にお生まれの方(未就学児を除く)であれば学生に限らずご購入いただけます。
ご購入、ご来場時に生年を証明できるものをお持ちください。

※各公演ともに12月6日(土)チケット一般販売予定。

講師プロフィール

ミクローシュ・ペレーニ (チェロ) Miklós Perényi / Cello

ミクローシュ・ペレーニ写真

 ブダペスト生まれ。7歳でリスト音楽院に入学。その後ローマの聖チェチーリア音楽院に留学。1963年、カザルス国際チェロコンクールで入賞し、カザルスから指導を受ける。70年、ハンガリー政府より「リスト賞」を受賞。74年からリスト音楽院で教鞭をとり、80年に教授に就任。
 ソリストとして世界各国でコンサート出演や、エディンバラ、プラハ、ザルツブルク等の主要音楽祭やプラド(パブロ・カザルス)等の国際チェロ音楽祭へも多数客演。室内楽奏者として、ラーンキ、シフ、ケラー・カルテットら一流の演奏家との共演も多い。
 多数のレーベルに録音があり、栄誉ある「コシュート賞」(80年)、「バルトーク=パストリ賞」(87年)を受賞するほか、ベートーヴェンのソナタ全曲録音CDは、2005年カンヌ・クラシック・アワードを受賞。1978年に初来日を果たして以来度々来日し、リサイタルをはじめNHK交響楽団、東京都交響楽団、札幌交響楽団等とも共演。
 リスト音楽院セミナーには第1回の1997年及び2006年、09年、11年、13年、15~20年、23年、24年に講師として参加。

ガーボル・ファルカシュ (ピアノ) Gábor Farkas / Piano

ガーボル・ファルカシュ写真

 2005年、リスト音楽院卒業。ゾルターン・コチシュとタマーシュ・ヴァーシャリ指導のもと、14年に同音楽院博士号取得。同時に、コモ湖国際ピアノアカデミーにて、ウィリアム・ナボレー氏のもとで研鑽を積む。
 2015年、ニューヨークコンサートアーティスト&アソシエイト主催コンクールにて最優秀賞を受賞し、16年、カーネギーホールにてデビューリサイタルを行う。ワイマール第6回国際リストピアノコンクール第1位、聴衆賞及びベストハイドンソナタ演奏者賞(09年)、ハンガリー全国ラジオピアノコンクール第1位(03年)ほか、多数のコンクールで数々の賞を受賞している。また、12年にはハンガリー最高芸術家賞であるフランツリスト賞を受賞。
 世界各地で演奏活動を行っているほか、ゾルターン・コチシュ、アダム・フィッシャー、小林 研一郎ほか著名な指揮者と共演し、絶大な信頼を得ている。
 2025 年、リスト音楽院学長に就任。東京音楽大学等で若い世代の育成にも力を注いでいる。
 リスト音楽院セミナーには2019年、20年、22~25年に講師として参加。

バラージュ・レーティ (ピアノ) Balázs Réti / Piano

バラージュ・レーティ写真

 1974年ブダペスト生まれ。リスト音楽院でジョルジュ・ナードル氏の指導のもと研鑽を積み、98年優秀な成績で卒業。99年よりリスト音楽院で後進の指導にあたり、2007年博士号取得。
 アイルランド ダブリンのナショナル・コンサート・ホール、ドイツのベルリン・コンツェルトハウスなどヨーロッパ各地で演奏するほか、アメリカ、日本、南アメリカ、インドネシア、カザフスタンなど世界各地で演奏活動を行う。また、ハンガリー国内外のピアノコンクールの審査員を務め、日本、イタリア、ポーランド、ペルーなどでマスタークラスを開講し好評を博している。
 リスト音楽院セミナーには2020年、23~25年に講師として参加。

リスト音楽院入学試験 ノン・ディグリー・プログラム

 ノン・ディグリー・プログラムとは、リスト音楽院に在籍し、学生の興味や目的に応じて作成した学習計画に沿い、専門の勉強をするプログラムです。本人の希望で学習期間(原則1年)を設定でき、在籍期間中に必須試験はありません。授業は英語やドイツ語などで行われます。履修証明書を請求することができますが、ディプロマ(卒業証書)は取得できません。学習内容は、専門、室内楽(受講に条件あり)、楽理及びソルフェージュ等があります。

コース ピアノ・チェロ
募集年度 2026/2027年度(2026年8月下旬~2027年6月中旬予定)
試験日 2026年2月24日(火)午前中を予定
会場 札幌コンサートホール Kitara 小ホール

[全コース共通]
受験資格
 ・入学時18歳以上で高校卒業の学習履歴を持つこと。
 ・英語もしくはドイツ語での学習に不自由のないこと。
受験料
 132ユーロ(予定)

[ピアノコース]
課題曲
 ①J.S.バッハの作品から1曲
 ②古典派のソナタから任意の一(ひと)楽章(緩徐楽章を除く)
 ③自由曲
審査員
 ガーボル・ファルカシュ、バラージュ・レーティ

[チェロコース]
課題曲
 ①ドヴォルザーク:ロンド ト短調 作品94
          or マルティヌー:ロッシーニの主題による変奏曲 H.290
          or マルティヌー:スロヴァキア民謡による変奏曲 H.378
          or チャイコフスキー:カプリッチョ風小品 ロ短調 作品62 のなかから任意の1曲
 ②J.S. バッハ:無伴奏チェロ組曲 第4番 変ホ長調 BWV1010、第5番 ハ短調 BWV1011、
        第6番 ニ長調 BWV1012 より任意の舞曲2曲
 ③任意のチェロ協奏曲から第1 楽章もしくは最終楽章
審査員
 ミクローシュ・ペレーニ

※試験結果は当日中にお知らせします。合格者は2026年9月、リスト音楽院入学となります。入学およびハンガリー入国に必要な手続きについては、後日リスト音楽院から合格者にご連絡します。

※本入学試験の審査員と、留学中の担当指導教授は必ずしも一致いたしませんのであらかじめご了承ください。

※留学にかかる費用は自己負担となります。
年間授業料(参考) 専門/週1回レッスン:2,800ユーロ 週2回レッスン:4,100ユーロ

※あわせて室内楽や楽理、ソルフェージュ他のクラスを受講できます。授業料や入学に係る条件等についてはリスト音楽院ホームページ(https://uni.lisztacademy.hu)をご確認ください。

※フルタイムへの在籍変更をご希望の場合は、ブダペストにて別途試験が必要です。

※ハンガリーの長期就学ビザを駐日ハンガリー大使館で取得することが必要です。ビザ取得の際に提出する書類は、リスト音楽院から試験の合格者に送付されます。

申込方法(締め切り:12月12日(金))
下記から願書をダウンロードし、必要事項をご記入のうえ、期日までに郵送で提出してください。

下記の書類及び写真を提出してください。
  • □ Application Form
     ※お手元でコピーを保管してください。
  • □ Repertories
  • □ リスト音楽院ノン・ディグリー・プログラム入学試験受験申込書
  • □ 証明写真 計2 枚
     ※1枚は Application Form に貼り付けてください。
     別途写真をもう1 枚提出してください。 サイズ/ 3.5cm×4.5cm
  • □ 履歴書(身上書)
     ※英語で記載のこと
  • □ 最終学歴の卒業証明書もしくは在学証明書(2026 年3 月高校卒業見込以上)
     ※英語で記載のこと
  • □ パスポートのコピー
      ※お持ちでない方は事前にご相談ください。
願書等の提出先
〒064-8649 札幌市中央区中島公園1-15 札幌コンサートホール リスト音楽院入学試験事務局
TEL 011-520-2000(代) FAX 011-520-1575
※札幌で行われる試験の受付に限ります。お問い合わせは受験者本人が行ってください。

よくある質問

①セミナー期間中はずせない予定があるのでレッスン日を調整できますか。指導講師の希望を記載しても良いですか。
→必ず希望通りに調整できるとのお約束はいたしかねますが、なるべく考慮しますので申込時に備考欄へ記載してください。

②申込後に受講曲を変更できますか。
→12月下旬にお送りするご案内に記載の期日まで受け付けます。それ以降の変更はお受けできません。

③Kitaraの練習室を借りることはできますか。
→セミナー期間中、指定した日時と場所を練習室として開放します(無料)。12月下旬にお送りするご案内に記載の要領で予約を受付しますのでご確認ください。

④ノン・ディグリー・プログラム入学試験の結果はいつ発表されますか。
→全員の演奏終了後、当日中に発表します。道外の方は、時間に余裕を持って帰りのスケジュールを設定してください。

⑤ノン・ディグリー・プログラム入学試験の受験料はいつ支払えば良いですか。
→受験終了後、合格者のみリスト音楽院指定の口座へお支払いください。不合格となった方は不要です。

その他、ご不明点等がございましたら札幌コンサートホールKitara リスト音楽院セミナー事務局(TEL:011-520-2000/E-mail:liszt.seminar★kitara-sapporo.or.jp)までお問い合わせください。
※上記メールアドレスの「★」を「@」記号に置き換えてください。

ブダペスト・スプリング・フェスティバルのレポート

 2024年4月29日~5月12日にわたって開催されたブダペスト・スプリング・フェスティバルのコンサートに出演した第25回リスト音楽院セミナー最優秀受講生 小野寺 拓真さんと、2025年5月10・11 日にハンガリーのデブレツェン及びブダペストでリサイタルを行った第26回リスト音楽院セミナー最優秀受講生 渡辺 彩乃さんのレポートをご紹介します。

小野寺 拓真(第25回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)

■小野寺 拓真 ピアノリサイタル■
日時/2024年5月12日(月)19:00開演、5月15日(水)19:00開演
会場/ショルティホール(リスト音楽院)、Hiros Agora文化センター(ハンガリー ケチケメート市)
出演/小野寺 拓真(ピアノ)
プログラム/スカルラッティ:ソナタ ニ短調 K.1 L.366
ハイドン:ピアノ・ソナタ 第56番 ニ長調 Hob.XVI:42
ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58
コダーイ:小ワルツ
小山 清茂:かごめ変奏曲
バルトーク:戸外にて BB89
リスト:夜想曲「夢のなかに」S.207 R.87
ワーグナー=リスト:歌劇「タンホイザー」序曲 S.442

私は、5月12日にブダペストのリスト音楽院・ショルティホールで、5月15日にケチケメートのHiros Agora文化センターでリサイタルを演奏させていただきました。ショルティホールは320席、Hiros Agora文化センターは601席のどちらも美しく大きなホールで、たくさんの人に演奏を聴いていただくことができ、とても楽しい時間となりました。

息抜きにはハンガリーの見どころを少し案内していただいたりして、リラックスして本番に臨むことができました。特にハンガリーの料理はどれもとても美味しかったです。

リサイタルの前半では、スカルラッティの「ソナタ ニ短調 K.1」、ハイドンの「ソナタ ニ長調 XVI42」、ショパンの「ソナタ ロ短調 Op.58」を演奏しました。ここでは調性や曲調を考えて選曲しました。ショパンのソナタ3番は、複雑に構成された大曲で取り組む際には苦労しましたが、とても美しい作品です。

後半はコダーイの「小ワルツ」、小山 清茂の「かごめ変奏曲」、バルトークの「戸外にて」、リストの「夢の中に」、ワーグナー/リストの「タンホイザー序曲」と、ハンガリーの作曲家中心のプログラムを演奏しました。特に「かごめ変奏曲」と「戸外にて」はそれぞれ日本とハンガリーの民謡のメロディー、楽器の音などが登場し、日々の生活や思い出を感じさせるような親しみやすい作品です。「タンホイザー序曲」は、今回リサイタルの機会をいただくきっかけとなった曲でもあり、現在習っているマティアス・キルシュネライト先生のレッスンを初めて受けた曲でもある非常に思い出深い曲で、今回リサイタルの最後に演奏することができ、大変嬉しく思っています。

昨年の3月にリサイタルをさせていただけることが決まってから1年間、プログラムの設定から曲の準備まで長い時間をかけてじっくり行うことができ、非常に良い経験となりました。

今回最大限のサポートをしてくださった札幌コンサートホールKitaraの皆様、谷本先生、リスト音楽院の皆様、現地スタッフの皆様、本当にありがとうございます。

© Budapest Brand

渡辺 彩乃(第26回リスト音楽院セミナー最優秀受講生)

■渡辺 彩乃 ピアノリサイタル■
日時/2025年5月10日(土)19:00開演、5月11日(日)19:00開演
会場/デブレツェン大学、ショルティホール(リスト音楽院)
出演/渡辺 彩乃(ピアノ)
プログラム/リスト:愛の夢より 第3番 S.541
ショパン:ピアノ・ソナタ 第2番 「葬送」 作品35
武満 徹:雨の樹素描Ⅱ-オリヴィエ・メシアンの追憶に-
シューベルト:4つの即興曲 D.899 より 第3番 変ト長調
シューベルト:幻想曲「さすらい人」 ハ長調 D.760
リスト:バラード 第2番 ロ短調 S.171

2025年5月10日にデブレツェンのデブレツェン大学・リストホールにて、5月11日にブダペストのリスト音楽院・ショルティホールにてソロリサイタルをさせていただきました。海外におけるソロリサイタル、加えて二夜連続の公演という未踏の舞台に臨むにあたり大きな不安と緊張がありました。しかし同時に、これまでにない機会に立てることへの高揚感や、どこか心が弾むような期待があり、その幸せなときめきと共に、この場所へと導き見守ってくださっている諸先生方、諸先輩方、そして友人や家族からの温かな愛情と応援にも励まされ、一音一音に真心と感謝を込めるつもりで丁寧に準備を重ねて参りました。

デブレツェンは、北海道を思わせる豊かな自然に包まれた街で、ホテルから会場に続く道すがらたくさんの動植物に触れることができ心が癒されました。その穏やかなひとときが演奏への集中を支え、本番に向けての大きな力となりました。また、リスト音楽院の周辺にはたくさんの美味しいハンガリー料理店が並んでいて練習合間のささやかで嬉しいご褒美でした。

リサイタルは、まず一曲目にこの場に立てたことへの感謝と喜び、またハンガリーへの思いを音に込めて同国の作曲家であるリストの「愛の夢より第3番」を演奏いたしました。続いて、ショパンの「ピアノ・ソナタ第2番『葬送』」、武満徹の「雨の樹素描 I-オリヴィエ・メシアンの追憶に-」を演奏し前半を終えました。ショパンのソナタは、生と死、静寂と激情が交錯し、そしてその中に宿る美しさを深く描いた作品です。その精神的な重みに私自身不安を抱えながらも、ショパンの語りかけてくるものに耳を澄ませ、自分なりに向き合い問い続けながら準備してきました。その歩みの先で、この舞台で演奏できたことが、私にとって静かな祈りを捧げるような忘れがたい時間となりました。その余韻の中で続けて弾いた武満徹の作品は、その祈りがさらに深く、静かに会場に広がるような感覚でした。5分という短い時間の中で、音と音の間に漂う沈黙を聴いてくださっている方々と共に感じているようで、自分の中にある“聴く”という感覚が研ぎ澄まされていくのを感じました。また、日本の作品をハンガリーの舞台で響かせることができ音楽が言葉や国境を越えて静かに心へ届くことを改めて感じたひとときでした。

後半は、はじめに私の敬愛する作曲家の一人であるシューベルトの作品「即興曲Op.90より第3番」、「さすらい人幻想曲」の2曲を演奏いたしました。特に「さすらい人幻想曲」は、今回のプログラムの中でもとりわけ長い時間ともに歩んできた作品でした。多くの先生方に導いていただきいくつもの舞台で響かせてきたこの音楽は、私にとってまさに“さすらい”そのものでした。演奏する度に同じ場所にはとどまらずに見える景色や感じる風も変わっていく。その旅路の中で自分自身の変化とともにこの作品への解釈も変わりながら、今の自分の音へと導いてくれたように思います。そしてこれからも音楽と共に歩みを続けたいと強く感じた演奏になりました。

プログラムの最後には、再びリストの作品に戻り「バラード2番」を演奏いたしました。リストで始まりリストで締めくくるという構成は、この地で彼の作品と向き合えることの意味を自分なりに大切にしたかったからです。全ての演奏が終わり張りつめていた気持ちがゆっくり解けていくなかで、会場に響いた温かい手拍子に胸がいっぱいになりました。緊張のなかで一音一音紡いだ時間が、聴いてくださった方々と共に一つの空間を作っていたことに深い感動と感謝を感じました。

会場には、ファルカシュ先生、レーティ先生、ヴィーク先生をはじめたくさんの方々にお越し頂きました。また、今回のリサイタル開催にあたり、札幌コンサートホールKitaraの皆様をはじめ、日本からご同行してくださった谷本先生やKitara総支配人の林さん、そして勝本さんの温かなご支援とご助力のおかげでこの日を迎えることができました。この場をお借りして、深く御礼申し上げます。今回いただいた全てのご縁と支えに心からの感謝を込めて、この想いを忘れることなくこれからも音楽に真摯に向き合って参ります。

関連リンク

リスト音楽院(https://concert.lisztacademy.hu/

問い合わせ先

札幌コンサートホールKitara リスト音楽院セミナー事務局

  • 電話番号:011-520-2000
  • メールアドレスliszt.seminar@kitara-sapporo.or.jp