Kitaraのニューイヤー特集
スペシャルインタビュー記事公開!

鈴木 優人 写真 LEO 写真

オーケストラと箏の競演
Kitaraでしか聴けない特別なニューイヤー

2023年の幕開けは、箏の新たな魅力を追求する若き実力者LEOがKitaraに初登場。鈴木 優人が読売日本交響楽団と共演した際に世界初演を行い、「思い出深い曲」と語る藤倉 大作曲「箏協奏曲」を、このたびは札幌交響楽団と奏でます。Kitaraでしか聴けない特別なニューイヤーコンサート。出演する二人からのメッセージをお届けします。

――プログラムの選曲意図と各作品について、教えてください。

鈴木 新年のお祝いがテーマです。まずはニューイヤーコンサートの定番となっている、ヨハン・シュトラウス2世のポルカで華やかに幕を開けます。続いて日本の音色である箏とオーケストラとの共演。ソリストとしてお迎えするLEOさんが藤倉 大さんに委嘱した新作「箏協奏曲」です。2021年4月に、私が指揮をさせていただき読売日本交響楽団との共演で世界初演を行った思い出深い作品でもあります。後半はヴィヴァルディの「四季」から、新春はやはり「春」ですね。そしてラフマニノフの交響曲 第2番 第3楽章へと続きます。しっとりとしたクラリネットのソロが印象的で、大好きな作品です。ラフマニノフの生誕150年の記念の年である2023年の幕開けを、彼が創った限りなく美しい調べで飾りたいと考えて選びました。そして最後は再びヨハン・シュトラウス2世のワルツ「春の声」、「美しく青きドナウ」で華やかに。世界中どこを探してもKitaraでしか聴けないプログラムになっています。

――藤倉 大作曲「箏協奏曲」の聴きどころは?

LEO  オーケストラと箏が一体となり、ある種の新しい楽器として生まれ変わったようなサウンドが聴ける曲です。4分の4拍子から16分音符1つ分、短かったり長かったりする独特のグルーヴから始まります。プログレッシブ・ロックのような要素も感じるサウンドから、日本音楽独特の間やノイズ感を感じられるセクションへの展開など、見どころ・聴きどころのたくさん詰まった曲です。曲の最後のカデンツァは静かで美しい印象ですが、僕の知っている箏曲の中では間違いなく一番の演奏難易度です。

鈴木 箏の超絶技巧曲といえますね。カデンツァはとにかくかっこいい。箏が奏でるグリッサンドがコラールを思わせる幻想的な雰囲気を醸し出します。オーケストラのさまざまな楽器の音色が箏と一体になっていく様子は、さながら音で点描画を描くよう。お客さまには、そのあたりを楽しんでいただきたいと思います。オーケストラにとってもハードルの高い、演奏しがいのある作品です。

――お二人は二度目のご共演となりますが、お互いの印象を聞かせてください。

鈴木 一度目は「箏協奏曲」の初演でした。LEOさんはお若いのに落ち着いていて、スターでありながら誠実な方という印象でした。リハーサルの段階から、とても楽しい雰囲気で進めることができました。箏の演奏も、容姿も「異次元の方」です。箏のイメージを超える素晴らしい演奏はもちろん、華麗な演奏姿もぜひ楽しみにしていただきたいですね。

LEO  ピアノやヴァイオリンの方と共演する際に、箏は発音のタイミングが分かりづらく合わせるのには慣れが必要、とよく言われます。でもチェンバロと箏とは発音のタイミングなどの感覚が似ている部分が多いらしく、チェンバロ奏者でもいらっしゃる鈴木 優人さんとは初めての共演とは思えない密なコミュニケーションを取れた記憶があります。曲作りに関しても的確なアドバイスをくださりながら大部分を委ねてくださる優しい方という印象です。

――LEOさんはKitaraには初めての登場ですが、どのようなイメージを抱いていますか。

LEO  いろいろな方々からKitaraは素晴らしい音響のホールだと聞いております。箏の音色がどのように響くのか、とても楽しみです。楽しみといえば、北海道の美味しいものをたくさん食べられるのも楽しみにしております。料理が好きで、じつは同じかそれ以上に食べることも大好きなんです。海鮮はもちろんですが、味噌ラーメンもはずせないですね(笑)。

――鈴木さんにはKitaraに何度もご登場いただいていますが、Kitaraにどんな印象をお持ちでしょうか。

鈴木 中島公園の中に位置するロケーションが、まずとてもいいですね。お客さまは散歩をするような感じで、自然に足を運んでいらっしゃるように感じます。そのせいかホールに流れる時間もゆったりとしていて穏やかです。音響の素晴らしさについては言うまでもありません。演奏していても豊かな音に包み込まれるようで、とても気持ちがいいです。またKitara所蔵のチェンバロが名器で、ニューイヤーコンサートで弾くのが楽しみです。

――ふだん、お正月はどのように過ごされますか。

LEO  箏といえばお正月のイメージどおり、おかげさまで例年たくさんのお仕事をいただいております。ですから元旦に家族で集まることは難しいのですが、仕事の合間に家族と団欒してごはんを食べる時間が好きです。ぼくの実家は、みんなでしゃぶしゃぶを囲みます。

鈴木 札幌に祖母が住んでいます。子どものころはその祖母の家で百人一首をして遊んだ思い出があります。今は、私もニューイヤーコンサートがあり、のんびり寝正月とはいかないのですが・・・。それでも家族でお雑煮を食べる習慣は大切にしています。うちは父が関西風の白味噌仕立てに丸餅、母は関東風で醤油味のすまし汁に角餅なんです(笑)。

――ニューイヤーを楽しみにされているお客さまへのメッセージをお願いします。

LEO  初めてKitaraで演奏できるのをとても楽しみにしております。箏の印象が変わるような演奏をお聴きいただけるかと思います。みなさまとお会いできるのを心待ちにしております。

鈴木 「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。年の初めに聴く音楽が一年を占うかもしれません。フレッシュでロマンティックで、カンタービレなスタートをみなさまにお届けできればと思います。Kitaraの素晴らしいチェンバロを使っての弾き振りもします。中島公園は雪景色のニューイヤーでしょうか。ご家族とお友だちと、ぜひ聴きにいらしてください。

ムービー

鈴木 優人 スペシャルメッセージ

LEO(箏)/坂入健司郎(指揮) - 藤倉大:箏協奏曲
室内楽版【世界初演】

※「Kitaraのニューイヤー」では、管弦楽版を演奏します。