<Kitaraワールドオーケストラ&合唱シリーズ>ステファヌ・ドゥネーヴ指揮 ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団

モナ=飛鳥・オット

Mona Asuka Ott

ドイツのミュンヘン生まれ。ドイツ人と日本人の両親を持つ。2歳からピアノを始め、4歳でコンサート・デビュー。権威あるピアノ・コンクールで多くの受賞歴を誇り、天才ピアニストとして早くから注目を集めた。ベルリンのフィルハーモニー、ウィーンのコンツェルトハウス、アムステルダムのコンセルトヘボウ、ルール国際ピアノ音楽祭、バイロイト音楽祭など、一流フェスティバルに出演し高い評価を得る。2011年にザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団日本ツアーのソリストに抜擢され、12年はオーケストラ・アンサンブル金沢の全国公演へ参加。13年、フィルハーモニア管弦楽団とロンドン・デビューし、絶賛される。ヨーロッパの歴史ある音楽誌『フォノ・フォルム』が激賞する期待の若手女流ピアニスト。カール=ハインツ・ケマリングおよびベルント・グレムザーに師事。


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ベルギーの名門オーケストラ、ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団がついに初来日します。率いるのは、同楽団の音楽監督で「ヨーロッパ最注目の指揮者」として高く評価されているステファヌ・ドゥネーヴ。共演するモナ=飛鳥・オットに、公演の聴きどころや、ピアノへの想いなどを訊きました。

―ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団、指揮者のステファヌ・ドゥネーヴとは初共演になります。期待や抱負を聞かせてください。

 ブリュッセル・フィルは80年あまりの歴史を誇る素晴らしいオーケストラ。ソリストとして共演できるのが、とても楽しみです。また、指揮者のドゥネーヴは、一つ一つの音色にこだわる緻密な指揮が特徴です。どんな音色を引き出していただけるか、期待しています。オーケストラとの共演は、大きな室内楽団の一員となってピアノを弾くような感じで、ソロリサイタルとはまた違うおもしろさがあります。

―演奏されるベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」の聴きどころは?
曲にまつわる思い出やエピソードはありますか。

 この曲も、同じくベートーヴェンの交響曲第三番「英雄」も変ホ長調です。どちらも対ナポレオン戦争でヨーロッパが苦しんでいた時代に書かれました。混乱のなかで、ベートーヴェンは変ホ長調に平和への願いを込めたのではないでしょうか。そして世界は今また混乱の時代を迎えています。自然災害、戦争、テロ……。私も平和への願い、明日への希望を込めて演奏したいと思います。
 この曲をコンサートで初めて演奏したのは、ミュンヘンの歴史的ホール、プリンツレゲンテン劇場でした。普段はクローズしている2階のボックス席までいっぱいのお客さまから、演奏後にいただいた大歓声は忘れられません。

―2歳でピアノを始めたそうですが、きっかけは?

 3歳上の姉、アリスがピアノを習い始めたのがきっかけです。母に付いて一緒にレッスンへ行くと、そこにいる全員が姉を見つめ、弾く音に耳をすませます。私も注目されたくて、姉がピアノの椅子から立ったすきに、さっと座って下りようとしなかったのです。「しかたがないわね」ということで、私も一緒に習うようになりました。

―モナさんにとってピアノとは?演奏をとおして伝えたいものは?

 幼いころ、自分はピアニストとして生まれたと信じていました。4歳のときに幼稚園で、大きくなったら何になりたいかをみんなで書きました。私は「ウサギになりたい」でした。姉に「ピアニストじゃないの?」と聞かれて「ピアニストとして生まれたのだから、次はウサギになりたい」と大まじめで答えました(笑)。そのくらいピアノは私のすべてです。演奏をとおして伝えたいものは、感情です。聴いてくださるかたと感情を分かち合いたいと願いながら、いつも弾いています。

―ドイツ人のお父さま、日本人のお母さまのもと、ドイツで育ったことは、
ご自身の音楽に何か影響を与えていますか。

 音楽に国境がないように、両親が何人で、どこで育ったかはとくに関係ありません。でも父と母には「ありがとう」の気持ちでいっぱいです。私たち姉妹を自由に育て、夢を全力でサポートしてきてくれました。そんな両親は誇りです。

―今後の演奏活動でチャレンジしてみたいことは何ですか。

 レパートリーをもっと広げたいですし、深い感情を伝えられる演奏家になりたいです。でもそのためには、ピアノに向かって練習しているだけでは足りないと思います。世界各地を訪ねていろいろな人と出会い、いろいろな経験を積まなければ。良いことも悪いことも自分の目でしっかりと見て、心に焼き付けたいです。

―趣味やリラックス方法は?

 幼いころからお菓子作りが大好きで、ドイツと日本でケーキ屋さんを開くのが夢です。クリームがたっぷりで少しくどいドイツのケーキと、小さくて物足りなさも感じる日本のケーキの中間くらいのものを作って「おいしい!」と言われたいです。リラックス方法は体力作りもかねてスイミング。自宅近くのジムのプールでよく泳いでいます。

―これまでもキタラで何度か演奏されています。
ホールや札幌についての印象を聞かせてください。

 2010年は南西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団と、11年はザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団と、日本ツアーの最初の公演を2年連続キタラで行いました。素晴らしいホールで、良いスタートをきることができたことに感謝しています。私の故郷のミュンヘンと札幌は姉妹都市。しかも緯度がほぼ同じです。そのせいか気候が似ていて、札幌ではとてもリラックスできます。びっくりするほどおいしいお寿司も演奏の元気の素になります(笑)。

―キタラクラブのみなさまへメッセージをお願いします。

 お会いできるのを楽しみにしています。私の気持ちがみなさまに伝わるよう、心を込めて演奏します。ぜひ聴きにいらしてください。